ブログ▨知識はバトンだ~3.11を繋ぐ意味

2011年3月11日。あの日、日本は揺れました。物理的にも、精神的にも、社会的にも。

東日本大震災。
名前はご存知だと思います。でも、「知っている」のと「覚えている」のは別物です。

人間って、つい忘れる生き物だ。人生を決める試験のために、必死に覚えた内容ですら試験中に霧散するように、震災の記憶もまた、時とともに薄れつつある。でもね、これは忘れちゃいけない。どうにかして繋いでいかなきゃならない。

あのとき、何が起こったのか

今と同じように、震災直後も“元気のもり”には多くの学生が実習に来ていた。彼らは口々に言っていたのだ。「何かしたい。でも、何をすればいいのかわからない」

当時、東北に行ってボランティアや視察をしてきた大人たちがたくさんいた。彼らは必死に訴えていた。「現地の状況は想像以上だった。『百聞は一見に如かず』だ。ぜひ訪れてほしい」

いや、誰もが行けるわけじゃない。募金だって限界がある。
学生たちは、ニュースを見て、震災の話を聞いて、焦りを感じ、無力感に押しつぶされそうになっていた。「私たちは何もできない…」
そうだろうか。実習で話し合うことにした。
話し合ううちに、彼らははっと顔を見合わせることになる。

「震災を直接知らない世代に伝えるのって、震災を知らない私たちに<こそ>できるんじゃない…!?」
「確かに百聞は一見に如かずだけど、じつは後の世代の人たちは、全員人づてに聞くしかない。現場を見ないとわからないなんて、未来の子どもに言うわけにはいかない」
「震災から遥か遠い場所にいた私たちの視点で、震災を伝えることってかなり大切かも!!」

そう、震災を直接知らない者同士だからこそ、共感できる形で伝えられることがあるかもしれない。

津波てんでんこ。いにしえの知識は多くの人の命を守った。
知識はバトンだ。渡す人がいなくなったら、そこで終わってしまう。

私たちにできること

これを読んで「私だって誰かを守りたい。でも、何をすればいいの?」と思うかもしれない。
当然の疑問だ。でも安心してほしい、答えは意外とシンプルだ。

  • 被災地のことを学ぶ(被災状況も、名産も)
  • 防災意識を持つ(非常袋、持ってる? ハザードマップ、見た?)
  • 震災を知らない世代に伝える(小さい子に「防災の大切さ」を面白く話してみよう)
  • 目の前の人を大切にする(支え合いの精神は、半径5メートルにいる人から)

どれも今すぐできることだ。何も巨大プロジェクトを立ち上げる必要はない。「できることを、できる範囲で、できるときに」。それが、未来を支え、守る行動になる。蝶の羽ばたきだって世界を動かすことがある。

 

震災は、過去の出来事ではない。
「もう終わったこと」ではなく、「これからのために繋ぐべきこと」だ。


震災後もたくさんの災害が(東北で最近も)ありました。災害の記憶を「風化」させたくありません。それぞれのやり方で、未来に繋げていきませんか。
あのときの学生諸君、そしてこれをたまたま目にした方々、皆様に期待しています。私たちもがんばる。

かんだむつみ

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