ブログ◆「怒らない子育て」のコツは生き物トークにあり

 
コウノトリの食性の変化と絶滅の関係については、前掲の新聞記事にあるとおりです。

国内における里山の減少、国外の大規模農場経営にともなう森林破壊等によってすみかを失った野生動物とヒトの関係について、国内外で様々な事例とともに警鐘を鳴らされているのはご存知のことと思います。

このように野生動物とヒトとの関係って、ついグローバルで大きな話になりがちです。でもそれじゃあピンとこないですよね。もっとローカルというかご家庭の、個人の単位で考えることが大切です。

 

まちなかで気軽にハトやコイに餌を与えたり、ゴミ捨て場でゴミの捨て方が悪くてカラスやネコにゴミを漁られたりすることはありそうです。これっていいのかな。「いくない」よね。

なぜ「いくない」かというと騒音や糞害が発生する可能性が高まるからです。でもそれだけではありません。野生生物の食生活の変化は重大な<未来の危機>を招くおそれがあるから「いくない」のです。

餌付けしようという意思がない単発の餌やり行為でも、毎週のゴミ出しのときに防護ネットをしっかり被せないことでも、積み重なると野生動物の生息場所を変える可能性があります。簡単に食事がゲットできるほうを選ぶのが野生の最低限必要な力のひとつだからです。
生き物というのはクールです。労務対効果をどこまでも淡々と追求します。できる限りエネルギーを温存できる方法を選びます。だって次はいつ食べ物にありつけるかわからないから。(ライオンが動物園でいつも寝ているのもそういうことなんです。)

ですから野生動物への食べ物の提供は、地球が誕生してからこっち、連綿と続いてきた生態系に深く強く関与する行為と言っても過言ではありません。私たちの善意による気軽な行為が、未来の進路を悪いほうに向けることになる可能性もあるのです。

 

「行為」の結果はたぶん私たちにはわかりません。私たちはもう死んでるかもしれないから。
コウノトリの事例だって1930年からの個体を調べた結果です。90年前です。

 

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